次は原油か 2008 6 28

 アメリカ発の「サブプライム問題」が、世界を一周し、
「やれやれ」と思っていたら、
今度も、アメリカ発の「原油高」が到来しました。
 「なぜ、原油高問題がアメリカなのか」と聞かれることがありますが、
それは、世界の原油相場をリードするのが、WTIだからです。
WTIとは、「West Texas Intermediate」のことです。
 日本は、エネルギー効率が高く、省エネルギー大国なので、
世界的に見れば、原油高が、かえって日本に有利に働く可能性がありますので、
取り立てて、原油高を騒ぐ必要はないのですが、
問題は、アメリカです。
 アメリカは、日本に比べれば、エネルギー効率が悪く、
さらに、エネルギー大量消費の国ですので、問題が大きいのです。
 日本は、鉄道網が発達し、鉄道大国と言えるでしょうが、
アメリカは、対照的に、車社会となっています。
このような社会では、原油高は、大きな影響を引き起こすことになるでしょう。
言い換えれば、アメリカの繁栄は、「原油が安いこと」が前提になっているでしょう。
 覇権の終わり。
20世紀の終わりに、アメリカは、唯一の超大国としての地位を確立しましたが、
その覇権も、意外に短いものとなるかもしれません。
原油高が、アメリカを弱体化させるでしょう。
 数年前に、このサイトで、
アメリカは、超大国から「地域大国」になる可能性があると指摘しました。
 アメリカは、原油高をどうするつもりなのでしょうか。
今のところ、無策の構えです。
 「サブプライム問題」も「原油高問題」も、
日本にとっては、軽傷に終わる、
いや、むしろ日本有利の状況を作り出していますが、
日本にとって、長年の友人であるアメリカの将来が心配でしょう。



















































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